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高校1年夏、中学の時から親友の亜美柰に、溜め息混じりにそう言われた時も、私は全うな返答が分からずに、うーんと首を捻ることしか出来なかった。
ちょうどこの頃、亜美柰には1つ年上の彼ができたばかりだった。
なんでも、同じテニス部の先輩で、遅くまで一緒に居残り練習をしている時に告白をされただとか。
「ごめんね椿。私、これから部活がない日は先輩と一緒に帰ることになったの。椿も早く、好きな人くらい作りなよ!」
帰り際、下駄箱でローファーを手にする私の肩を満面の笑みでポンっと叩き、亜美柰は校門まで駆けていった。
その先には、私も目にしたことがあるテニス部の先輩の姿が。
自分が幸せを手に入れた瞬間、相手にも同じような幸せを押し付けてくる人間がいることは百も承知だったけれど、まさか親友までその類いだったとは…。
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