レンタル恋心

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「私だって、興味がない訳じゃないわ…」  それ以来、一人で下校をするときは、なんとなく道くさをするようになった。 両親も共働きなため、早く家に帰ったとしてもどうせ一人なのだ。 だけどオシャレなカフェもショップも、一人では到底入りにくい。  遠回りした距離をあてもなくプラプラ歩いていたこの日、いつもとは全く違う路地裏に足を踏み入れてしまった。 「こんな場所があったのね…。なんだか閑散として、気味が悪い」 一本通りを変えただけで、そこはまるで別次元の空間だった。 元は商店街…だったのだろうか。ほとんどのお店が、看板は出ているがシャッターが閉まっている状態だ。 まだ夕方だというのに、人影がないだけで辺り一面がとても暗く感じるのは、きっと錯覚なのだろうけれど…。
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