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「休暇を旅行でエンジョイするのはいいことだわ。出社は明日からでもいいから、気をつけて帰ってらっしゃい」
各探偵のスケジュールはすべてマネージャの頭のなかに入っていた。これぞ休暇の正しい使い方だと感じる。やることがなくて休暇だというのに事務所にわざわざやってきて時間を潰しているようにしか見えない誰かとは大違いであった。
「でも午後から新たな依頼を聞く予定でしたのに」
「気にしないで。別の探偵にやってもらうよう、調整するから」
電話の向こうで何度も謝る探偵。マネージャはそれをなだめ、通話を切った。
「なんか非常事態のようだな?」
先野は、マネージャの声をしっかり聞いていた。
「旅行先からよ。飛行機が飛ばなくて帰ってこれないってね。で、午後からの案件に対応できないって言うの」
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