約束された勝利

7/9

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 大統領は大統領府に招いたレンタル兵士の隊長より、国土防衛の説明を受けていた。その代表は身の丈2メートルを超えた大男で、筋骨隆々とした体格。英雄や勇者と呼ぶに相応しい男だと感じるには十分である。 「ストロウ共和国の領土内に入り込んだペパマシェカラスチ公国兵の掃討を行います。現状、制空圏はあちらに握られておりますので、国境近辺の占領された空港の奪還を行い空の足を奪います」 「う…… うむ…… しかし、公国側の空港から戦闘機が飛んできては意味がないのではないかね?」 「そう言うと思いまして、そのまま公国側の空港に戦闘機を飛ばし、空港を制圧して空の足を全て奪います。この後は国境沿いに侵攻する陸軍の対処、海上にて海戦を行いながら包囲して適宜空爆。これで相手国の兵士を『全滅』まで追い込める筈です。あの? 後顧の憂いを絶つために『壊滅』『殲滅』まで追い込む場合はこちらも増員が必要になるのですが、追加プランのご検討は?」 「いや、いい。第一目標はあくまで我が国の防衛。その後は講和条約を結び、二度と我が国に攻めないと約束させればこれで良い」 「承知致しました。なら、ペパマシェカラスチ公国を国の枠組みを変える必要がありますね。独裁者と貴族が政権を持っている国である限りは安心は出来ないでしょう」 レンタル兵士達は参戦より大車輪の大活躍! 空襲を行うために奪取されていた国境近辺の空港を奪取。ペパマシェカラスチ公国兵の戦闘機との空中戦(ドッグファイト)が行われ、レンタル兵士の蝶のように舞い蜂のように刺す(撃つ)動きの前には山火事の木の燃える木の葉も同然、瞬く間に空に散っていくのであった。信じられぬ大恐慌を前に空港を占拠していたペパマシェカラスチ公国は蜂の子を散らすように逃げていくのであった。 レンタル兵士の快進撃が止むことはない。大恐慌の勢いに乗り、ペパマシェカラスチ公国の各地の軍用空港に爆撃、瞬く間に制空権を剥奪し、ストロウ共和国に対する空襲をシャットアウト。ペパマシェカラスチ公国の空軍の命を風前の灯になるまで追い込んだ。 国境を中心に陣取っていたペパマシェカラスチ公国の戦車隊も、鶴翼の陣にて待ち構えていたレンタル兵士の戦車隊の総攻撃を受け、瞬く間に壊滅。後続の戦車隊も回れ右のUターンで尻尾を巻いて逃げ出すのであった。 空・陸と連続の敗北で焦りを覚えていたペパマシェカラスチ公国は海で巻き返しを図ろうと大艦隊を組んだのだが、ストロウ共和国の制海権にはそれ以上の大艦隊が組まれており、ものの数時間で主力艦隊が海の藻屑と消え、敗走。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加