猫みたいだな、犬派のくせに

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「いいですよ。どうせ明日も来るって言ってましたし」 「サンキュ。明日は夜迎えに来るから、酒には近付くなつっといて」 「あは……分かりました」  コンラッドはオーウェンの三つ編みを解いて、手入れされている綺麗な髪を撫でるように梳いた。 「オーウェン、俺帰るからな」 「……コン、ラ…………」  声が聞こえているのかいないのか、オーウェンは相棒の名を呼びかけたが、言い切らずに寝言を終えた。コンラッドは苦笑する。 「おやすみ」  コンラッドは小さな声で囁いて、テオと一緒に静かに部屋を去った。が、今度は自分の問題に気が付く。 「あ、メシどうしよっかな……」  コンラッドは生活力がまるでない。料理どころか買い物もろくに出来ないので普段はオーウェンが用意してくれるのだが、当のオーウェンはダウンしてしまった。いつも甘えっぱなしだからこういう時に困る。  旅の間にその話を聞いていたテオは察して、店を示すように下を指差して提案した。 「なんか食べてきます?」 「勝手に買い物すると怒られる」 「それはやたら高いもの買うからでしょ。うちのなら1番高いのでも大した値段じゃないですよ」 「んー……じゃあそうする」  コンラッドはテオの提案に乗り、アランの店でいつもと違う夕飯を食べた。酔っ払いのうざ絡みを心底うざがりつつも、冒険譚を聞き、「明日陛下と面白い話ができそうだ」と笑いながら騎士団の寮に帰っていった。
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