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唇を噛み締め、歩き始める。呼吸は自然と荒くなっていた。
「お待たせ。売店が混んでて…」
ヨウが後ろから走ってきた。必死に深呼吸して、息を整えようとしたが、やはり最初の状態には戻らなかった。
「何かあったの?目が…」
ヨウがそう言うと、彼女の言葉を遮った。
「ごめん、調子悪いみたいだから、病室に戻る。一人になりたいから、ヨウも帰っていいよ」
そう言うと、半ば強引に、ヨウの横を通りすぎた。
「え?どうしたの?」
「一人になりたいんだ」
ヨウのいる方は振り向かず、病室に足を進めた。
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