3 今の俺  その2

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「相変わらず、すごくいいです」 「だろ」 「佐伯さんの首、細いから映えますよ」  横を向いて、窓ガラスに映る自分の姿を見た。細身の身体に極太のカラーだけを纏った四つん這いの犬だ。イタリアかどこかの毛のない犬がいたよな。あんな感じで、シャープに見えて悪くない。  そして、目の前にいるのは自分より一回り大柄な若いオスだ。美型の俺が大きなオス犬を従えている図は、ふーん、絵になるな。 「ん? 勃ってきました?」 「……」 「ね、どうなんです?」 「知らね」 「また、そんな言い方をする」  コイツ、とにかく俺を弄りたいのか甘えているのか、分からない。というか、その両方か。ヤツは、俺の尻を撫でながら、もう一口、水を飲んだ。 「欲しいですか? 次のコマンド」 「……出せよ」 「俺、まだ今じゃなくていいですよ。困ってないです」 「はあ??」 「いや、別に。俺は、佐伯さんのきれいなCrawl姿が堪能したいだけ、です」  俺様を焦らすなんて生意気だ。クソっ。腹が立つ。  何に腹が立つかというと、そう言われて、さっきまでの疼きの中に電流が走ってしまう自分に、腹が立った。性器にグンと血が流れ、硬度が増した。  そして性器から滲んだ汁が、床に垂れ始める。後ろの疼きが止まらない。Subの自分は、こうやってコマンドで性感を高めていく。Domの命令で昂っていく自分がイヤらしくて、それが倍々ゲームで絶頂へつながる。  ふとすると、コイツはすっと自分のデニムを膝まで下げ、下着だけの下半身となった。真ん中は当然に勃起している。 「”Come" こっちに来て」  コマンドが出た。俺の欲しいものとは違ったが、でも、そっちでもいい。すぐに振り返って、ヤツの股間に顔を埋めた。滲む若いオスの匂いが……むちゃくちゃイイ。頭を擦り付けてやった。 「わ、まだ何も言ってないのに」 「クソッ。しゃぶるぞ」 「えー、もう?」
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