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「……急ぐけど……」
「佐伯さんの色っぽい身体を早く見たいんですよ、俺」
そういう言い方をしやがる。Domとして、絶対的な命令をするのではなく、年下の男が年長者に甘えてくる。俺は、余計に逆らえない。そういう行為の繰り返しで、俺の腰の疼きがじんわりと周囲に広がっていく。
「ほら、脱いだぞ」
着衣を落として、ヤツの目の前に立った。いまさらコイツに裸体を見せる行為は何一つ恥ずかしくもないが、それでも凝視されると、鼻の奥にツンと抜けるものがある。
「何だよ」
「……あいかわらず、きれいだなと思って」
ソファに座り込んでいるコイツの目の前にあるのは、俺の無毛の股間だ。全身脱毛を済ませているので、性器は完全に露出している。刺激を受けて勃起しかけた大人の造形物を、こういう状態でみる機会は、俺とのセックス以外には、なかなか無いだろうな。
「舐めていいですか?」
「やだよ」
「ケチ」
こんな会話は、普通のプレイではしないな。普通だったら、もっと従順に振る舞う。Subの性が求めるまま、ひたすらにコマンドに従って、自分の快楽の階段を昇るのに専念する。Domに逆らったりしないし、快感に繋がる行為を拒否ることもない。
俺とコイツだから、これが出来る。
コイツも、俺様に拒否られても、薄笑いを浮かべるくらいの余裕を覚えた。生意気に、フーンと言いながら次にどうするか考えているさまが見て取れる。
だが、以前と比べ可愛げがなくなったといえば、そうでもない。
「じゃあ、”Crawl” 四つん這い」
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