君は言う

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君は言う

僕は笑わない子で 愛想なんかも無い奴で いつも教室の片隅に 本を盾に閉じ籠っていた そのくせ弱虫で 嫌われるのに怯えていて 周りの機嫌ばっかりを 気にして隠れて生きていた   君は言う     一体いつまで自分を殺し     他人(ひと)の人生を生きるのか     お前はお前の大切なものを     ひたすら守って生きろよ、と 僕は人見知りで 静かな子だと言われ続けて 大人の顔色を窺いながら いつも黙ってばかりいた   君は言う     いつまでも怯えてちゃ駄目だ     人生は自分で変えろ     お前はお前であることに     自信を持っていいんだから、と 君の目に映る景色、その色は何色か? 僕の目に映る景色、その色は――。
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