存在

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存在

夢のひとつも無く 希望のひとつも無く ただ漠然と 人生を消費している 群れて騒ぐ者共 愛だの恋だの友情だのと 「何が楽しい」 ふと毒づいた   咲いては枯れる   咲いては枯れるの繰り返し   渇いた心にどうか、水を   この身の全てで飲み干しますから   街は人で溢れる その分嘘が飛び交っている ハリボテのような笑顔に 私は哀しく虚しくなった   誰もが人に無関心で   道端の花は踏みつけられて   それらが自分と重なり合った…… いつから私の心は笑うことをやめたのか 傷つかないよう感情を閉じ込めて 暗い空を見下ろし流れるこの涙だけが 唯一の、存在の証
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