君は言う

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

君は言う

僕は笑わない子で 愛想なんかも無くて いつも教室の片隅に 本を盾に閉じこもっていた そのくせ弱虫で 嫌われるのは怖くて 周りの機嫌ばかりを 気にして隠れて生きていた 君は言う いつまで自分を殺して 他人(ひと)の人生を生きるのか お前はお前の大切なものを ひたすら守って生きろよ、と  枯れた花よ、愛しい夜よ  僕の糧になってくれ  理解などは必要ない  僕が僕であるだけだ  解ってくれなんて我儘も  言うつもりはないから  ただそばに居てくれたら、なんて思うんだ 僕は人見知りで 大人しい子と言われて いつも黙ってばかり 大人の顔色を窺う 君は言う いつまでも怯えてちゃだめだ 人生は自分で変えろ お前はお前であることに 自信を持っていいんだ、と  明るい太陽の代わりに  月のような静寂を  理解などは必要ない  僕が僕であるために  比べられて、指を差されて  どんなに笑われても  ただそこに居てくれるだけで、いいんだ 君の目に映る景色 その色は何色か 僕の目に映る景色 その色は
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!