聖女、参る!(1) ※

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「おい、頭を撫でるのは止めろ。私は犬や猫のような愛玩動物ではない」 「ハクシャク、マジめっちゃいい子だよねえ」 「はあ、どこをどうすればそのような結論になる」 「んー、なんとなく? まあ、メアちんはめっちゃ疑ってたけどねえ」  アッハッハ、とエミはディルの銀色の髪をガシガシと撫でながら明るく笑った。  実は、メアリーにはある計画があった。ディルが無理やりコルセットを脱がすようであれば、エミはすかさず大声を出すように言われていたのだ。 『コルセットごときも冷静に脱がせられない男は、理性を失ったケモノになっているのです。ですので、伯爵がコルセットを万が一無理やりひん剥こうとしたら、すかさずエミ様大声を出して私たちをお呼びください!』  エミの脳裏にメアリーの怒った顔が浮かび、エミは一人思い出し笑いをした。
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