聖女、参る!(1) ※

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「感度は良好なようだな。……これから触るが、痛みを感じたら右手を上げろ」 「その言い方、なんとなく歯医者さんみた……、あっ――……」  ディルの大きな手がエミのつつましい双丘に触れる。骨ばったゴツゴツした手の感覚に、エミの肌がゾワゾワと粟立った。エミはたまらず、ディルの手から逃げようと身体をひねって首を振る。   「い、いきなりは、反則……っ」 「こちらとしては、散々我慢させられたのでな。……多少荒くなるかもしれない」 「えっ、我慢って……やぁ、……んっ!」  乳房をやわやわと揉まれて、エミの身体が敏感に反応した。小さな嬌声をあげるごとに、呼吸が乱れていく。大きな手が撫でるように身体に触れるたび、軽やかに甘い感覚が身体を駆け巡り、頭がじんと痺れていく。 「ふぁ、……あ……♡」  優しい愛撫に、エミはだんだん身体がふわふわと熱くなっていくのを感じた。やめて、という言葉が喉元まで出かけるのに、どうしてかその先を知りたくて大きな手に身体を委ねてしまう。そのうちに、ディルはちゅ、と音をたてて身体中にキスをし始めた。
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