12.どうしてこうなったのか

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頭の中にはてなマークがたくさんある。何か用事があるのだろう。 とにかくドアを開けた。 山科さんは浴衣姿で、だいぶお酒を飲んだようで、顔がお猿さんのように赤い。それに誰かにこんな様子を見られると変な噂をばら撒かれる。 とにかく部屋の中に入れると、ドアを閉めた。 「どうしましたか?」 そう尋ねると山科さんはなぜだか笑った。 「俺、今だいぶ酔ってる」 「見ればわかります」 山科さんは窓の外の暗闇を見つめた。 「おそらく、今のこの行動を翌朝に後悔するのかもしれないし、後悔しないのかもしれない」 全くもって意味がわからず、山科さんを見つめた。部屋は静寂に包まれた。 気まずいからテレビでもつけておけば良かった。 山科さんは私を見ると、優しく笑った。 「俺、麗子さんと結婚したくない」 青天の霹靂、なぜに?どうして? 「どうしてですか?あんなに好きだったのに」 「内田さんにも、あのオタクの男と結婚してほしくない」 山科さんをただ見つめていた。 「内田さんが、好きだった」 何かのドッキリだと思った。ドアの外には職場の皆さんがいて、私がひっかかるのを今か、今かと待っているのだ。 山科さんは私を抱き寄せた。 いや、ドッキリでここまでするか? こ、これは、現実か?フェイク動画か? もしかしたら、白昼夢なのか?いや、これは私の妄想世界なのだ。 このBLではないリアル妄想はしてはいけないと、自分に言い聞かせ抑圧して来た。それがとうとう爆発してしまったに違いない。 そう、これは妄想だ。だから、自分の好きにしていいのだ。これから、山科さんを○○して、あれも、こうして……。 ふと匂いを嗅ぐと、濃いやましなさんの匂いがした。 やっぱりこれは現実だった。 どうしたらいいんだ。
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