13.お見合いの勧め

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13.お見合いの勧め

山科さんのいない日々が始まって一ヶ月が経過していた。なんだか急に会社がモノクロに見える。 いや、色がついていたのはここ最近のことだけで、それ以前はやっぱりモノクロだった。元に戻ったと言えばそうなのだが、何をしても心の隙間が埋まらない。 もう会えることはないけれど。 そして、私にはもう一つ答えを出さなければならないことがあった。 お見合い相手の侑士さんのことだ。 別に嫌いではない、優しいし、仕事も安定してるし、結婚相手としては過不足ないのだ。 お母さんに正直に伝えても、「結婚とはそういうもの、結婚してから愛情が芽生える」と言って私の意見を聞き入れてくれない。 というか、私は侑士さんとお見合い中に他の男と関係を持つといつ大ペナルティを犯している。 あとことはばかショウザキに決して他言するつもりはない、 こんな腹黒い私は結婚してはいけない人間だ。 それなのに両親はかなりの乗り気で、次のデートが明日に迫っている。 正直、デートする時間があるなら、夏のコミケにだす漫画を描いていたい。 どうしたらいいのだろう。
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