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美琴はLINEの返信を終えると、微笑みながら 「天馬かわいいなぁ。 随分打ち解けてくれたっぽいし このまま、の事なんて無視して 付き合っちゃおうかな?なんてね♫」 すると、美琴のスマホの着信音が鳴り響く。 「あ・・・電話・・・」 美琴がスマホを手に取り、ディスプレイを確認すると、非通知と表示されていた 「からだ・・・」 美琴は曇った表情で、電話に出る。 電話の相手は、変成器(ボイスチェンジャー)で声を加工しているのだろうか。甲高い機会音のような声で語りかけてきた。 「はどうした? 連絡する約束になっていただろ? なにをしていたんだ?」 「すいません・・・ たった今連絡しようと・・・」 「言い訳はいい!さっさと を報告しろ」 「はい・・・」 美琴とこの電話はの主との関係はどんな関係なのだろうか。親しい間柄というよりも、服従関係のようにも感じる関係性だ。 美琴は電話の相手に言われるがままに、本日のを事細かく話す。 そして、日にちは決定していないものの、天馬の自宅で手料理を振る舞う約束をした事を話した。 「ほぅ・・・そうか!もう自宅に 上がり込む約束をするまでに発展したか! さすがは男をその気にさせるのが上手い女だな!」 電話相手からの嫌味に対して言葉を発さない美琴。 「あら?違ったか? お前はそういう女じゃねぇか!」 「次は・・・何をしたらいいんですか? まあ、なんですよね?」 「否定はしねぇんだな!ふはははは! まぁ、いい。じゃあ次は第四段階に移行してもらおうか!」 「第四段階?」 第一段階は、天馬の自宅へ財布を届けに行く。 第二段階は、偶然を装い天馬と接触する。 第三段階は、天馬の自宅に行く約束をする。 現時点ではこの第三段階だと語る電話相手は次のステップ、第四段階へ行けと指示をする。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 美琴は電話相手からの新たな要求、第四段階の内容に驚いたように目を見開く美琴。 「そんなの・・・じゃないですか!」 美琴の問いかけに電話相手は高笑いしながら 「そんな台詞が出てくるとはな! 大笑いだな!なんせお前は・・」 電話相手が言い切る前に美琴は必死な様子で 「やめてください!やりますから! 必ずやりますから!お願いだから それ以上は言わないでください!お願いします!」と必死に涙ながらに訴える。 「まぁ、安心しろよ。お前が なうちは口外したりしねぇからよ」 「本当ですか?」美琴は震える声で尋ねる。 「俺を疑ってんのか?ならを・・・」 「違います!違います!すいません!すいません!」美琴は涙ながらに謝罪する。 「でも・・もしなんかされたりしたら・・・」 美琴はこれを懸念していた。 電話相手から下された新たな指示は、下手したら警察に通報されてもおかしくない事案だからだ。 そんな心配する美琴に電話相手は「心配するな!警察には通報されないように根回ししてやるから安心しろ」 「根回し?貴方って一体何者なんですか?」 警察に通報されないように根回しする事など、ある程度の社会的地位がある人間でなければ不可能だ。 「お前が知る必要はない!いいか? お前はただ、俺の出した指示通りに動いていればいいんだ。妙な詮索は命取りになるが、それでもいいか?」 「いえ・・・」美琴は命取りという言葉に萎縮してしまい言葉を発せない。 「まぁ、いい。じゃあ、しっかり頼んだぜ」 「はい・・・わかりました・・・」 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 美琴はうっすらと涙を流していた。 「ごめんね天馬くん・・・ あなたに恨みはないけど、こうするしか 私に道は残されてないの・・・ ごめんなさい・・・」
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