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とある平日の深夜 都内の大学に通う「加賀美天馬(かがみてんま)」20歳は、自らの計画性の無さに嘆いていた。 それは、明日の早朝から大学の講義が控えているというのにも関わらず 明日の事を見据えずに、深夜までH○l○でアニメの一気見をしてしまったからだ。 「あーあ・・・ハマって見すぎちゃったなぁ」 天馬があくび混じりの背伸びをしながら ベッドの宮の上に置かれたデジタル時計を確認すると、深夜の0時30分と表示されていた 「やっばっ!もうすぐ1時じゃん! 早く風呂入って寝よ!」 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 天馬が風呂から上がり、寝巻きに着替えそろそろ寝ようとした瞬間 ピンポーン 不意に自宅のインターフォンが鳴り響いた 「え?こんな時間に?誰?」 こんな時間に非常識な奴も居たもんだ! 何時だと思ってるんだよ! そう考えると同時に、とてつもない恐怖が天馬の頭の中を駆け巡った。それはなぜか? 天馬はアパートの103号室に住んでいるのだが 101号室と102号室は、アパートの大家が 本業の事務所として使用しており この深夜という時間帯は空き家と化している。 104号室には以前、高齢のおばあちゃんが一人で暮らして居たのだが 老人ホームに入る事になったらしく引っ越して行った為、こちらも同様に空き家となっている。 ようは、自らが住んでいる103号室の両脇は現時点で空き家という事になる。 したがって、隣人が訪ねて来た説は考えにくい。 なぜならば、人が住んでいないのだから。 それに天馬自身は騒音には必要以上に配慮をしている為、別の部屋の住人が訪ねて来た説も考えられないだろう。 ならば上の階、204号室の住人が訪ねて来た事は考えられないだろうか? いいや、それも考えられない。 以前バッタリあった時に気さくに話しかけてくれ、確かキャバクラのボーイの仕事をしており 平日は全て仕事で埋まっているから辛いと愚痴っていた為 上の階の住人が訪ねて来たなんて事はあり得ない。 なぜなら今の時間帯は仕事をしていて、家にいないのだから。 親や友達が訪ねて来たとしても、そういう場合は大抵事前に連絡があるはず。 ならば・・・ 誰が来たんだ? 知り合いの中には、こんな時間に訪ねてくる人物が誰一人思い当たらない。 ドアの向こうに・・・ 誰がいるんだ? そんな恐怖が、一瞬のうちに天馬の脳内を支配した。 そんな天馬の心配をよそに、再びインターフォンが鳴り響く。 ピンポーン 「・・・・・・ 仕方ない・・出るか・・・」 天馬は意を決してドアに近づき、覗き穴から外の状況を確認しようとするが 暗すぎてわからない。人が居るのかどうかすらもわからない程に暗かった。 「怖いけど・・・もしかしたら事故とかで 助けを求めてる人かもしれないよな」 天馬は心の中で、どうか普通の人であってくれ! 包丁を持った暴漢とかじゃありませんように! などと祈りながら、恐る恐るドアを開けた。 ガチャ
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