5th contact our short trip to space

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 朝方、恵多は目を覚ました。 「!」  またもや寝落ちしたらしい。  そしてまた、凱に後始末をさせてしまっている。  …何が宇宙空間だよ…。  恵多は、頭を抱えた。  ちらりと隣をみると、凱は静かに寝ている。  無防備な寝顔すら美しくて、つい見惚れてしまう。  伏せたアッシュブラウンの睫毛が、驚く程長い。 「きれいだよなぁ…」  凱の口元には微かに笑みが浮かんでいる。  …楽しい夢をみてるのかな? 「…ん…」  凱が身動(みじろ)いだ。 「…恵…」 「…何?」  呼ばれて顔を近付けるが、反応がない。  夢の中? 「…恵…」 「?」 「…あんた…エロ過ぎ…」 「!?」  凱は目を閉じたまま、口をへの字に曲げている。  どうやら恵多は夢の中でも凱を困らせているらしい。 「…ごめんね」  凱の唇に自分の唇を押し当てたら、長い腕が伸びてきて、胸に抱き寄せられた。  胸の中で耳を澄ますと、頭上でスースーと規則正しい寝息が聞こえる。 「…ん…あんたあったかいな…恵…」  凱の腕の力が緩み、ずしりと恵多の肩にのしかかる。寝息が大きくなった。  また寝ぼけてた…?  クスクス、と恵多は笑った。  今日は、サラと間違えられなかった。  嬉しくて、凱の頬に頬擦りする。  夜が明けたら、今日が始まる。  当分ゆっくり会えないだろうから。  あと少しだけ、凱の温もりを感じていよう。  恵多は目を閉じて、体をぴたりとくっつけた。  ああ。  ずっとこのままでいられたらいいのになぁ。
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