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「あんたの乳首、触ってもないのにこんなに凝ってんのか」
中のシャツごとパーカーをたくし上げられ、胸元の小さな豆粒をじっくりと検分される。
「エロいよなぁ」
「…っ」
羞恥に身を捩ると、凱は頭を伏せた。
胸元に、息がかかって。
「…んあっ」
べろりと乳輪を舐められる。
「あ…あ、あ、ああ、あー…」
繰り返しじっとりと、乳首を押し上げるように舐められ、恵多は恍惚とした。
ああ。
熱い。
しっとりと熱くて、気持ちいい。
「んっぁっ」
舌先で乳頭をグジグジと弄られて、背中が反った。
「あっぁ」
抉られるたびにどんどん胸が前にせり出してしまう。
その様子をみて、凱が小さく笑った。
「やりやすいように、胸突き出してくれてんのか」
ち、違っ。体が、勝手に。
「あん、あっ」
否定したいのに変な声しか出てこない。
「あー…ああー…あ、あ、あああ…は…」
気持ち良すぎて、おかしくなりそうだ。
恵多は快感を逃そうと首を左右に振った。
感じ過ぎて苦しい。
「やっ、やめ…」
上へ上へと逃げようとしたら、ぐっと肩を掴まれた。
過ぎたる快感は苦痛になることを訴えたいが。
「あ、あんっ、んっ」
やっぱり変な声しか出てこないし、凱はちっとも手を緩めてくれない。
「あ、ああー、あっ、ぁう…、ぅああ、あー…」
片方を舌で、もう片方を指で容赦なく責め立てられて、恵多の体は打ち上げられた魚のようにビクビクと跳ねた。
「なぁ気持ちいいか?」
そんなの分かりきっているのに、凱は何度も訊いてくる。
そして。
答えようとするたび凱は乳首を甘噛みして強い刺激を与えてくるのだ。
「やっ、あっ、あっ、あーっ、やっ」
「喋れないか?」
しゃ、喋れる訳ない。
わ、わざとだ。絶対わざとだ…!
息も絶え絶えになりながら、心の中で恵多は凱を非難する。だが、口から溢れるのはやっぱり喘ぎ声だけ。
「あー悪い。乳首、えらい腫れちまったな。こんな真っ赤になって、びしょびしょに濡れて。やらしいな」
「っ」
君がやったんじゃないか。
と、言おうとしたら。
「んあっ」
凱が愛撫を再開した。
意地悪く言葉で責められつつ乳首を虐められると、快感がどんどん高まって、何が何だか分からなくなってくる。
不意に、快感の大波がやってきた。
「っ!あ、あ、あ、あああああーっ」
恵多は叫んでいた。
「あっ、…っ、…っ、…っ」
強い快感に抗えず、襲われるまま体を硬直させる。
波がおさまると、恵多はぶるぶると背中を震わせた。
「ハァ、ハァ、ハッ、ハッ」
息が上がる。
呼吸を整えていたら、凱が「マジか」と呟いた。
「あんた、乳首だけでイッたのか」
「…えっ?」
恵多は仰向けになったまま首をもたげ、下半身を見下ろした。
腹の上で吐き出したものがキラキラと輝いている。
「あ…嘘…」
「すげーな」
「君が…っ意地悪なことばっかり言うから…っ」
整わない息で苦情を言うと。
「へぇ」
凱が面白そうに恵多を見下ろした。
「こんだけ素直に反応してくれたら、言葉で責めんのも楽しいな」
「えっ?」
いやいや。
気持ち良すぎて辛いからもう黙ってしてほしい、と恵多は頼んだ。
…はずなのだが。
「今日はうんとエロいことするんだろ?」
「次はどこを虐めてほしい?」
「あんた、ここ弱いよなぁ」
「ふーん。ここも感じるのか?すげー鳥肌立ってるぞ」
もうやめて。
いちいち言葉にしないで。
ただでさえ、恵多はその低い声に弱いのだ。
「あー。また先っちょ濡れてきたな。そんなに気持ちいいか?」
「…っ」
もう。
もう。
頭がおかしくなる…っ。
恵多の悶絶をよそに、凱はどんどん多弁になっていく。
「楽しいな。俺、新しい扉開いたかも」
その扉、すぐに閉じてもう解放して…っ!
恵多の心の叫びをよそに、凱はますます生き生きと目を輝かせ、恵多をうつ伏せにひっくり返した。
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