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ぬらぬらと頭部を濡らして光る、凶悪なコブラと目が合う。
「…っ」
妖しくて、めまいがした。
…それにしても…。
恵多は視線を素早く動かし、自身のモノと見比べた。
特大である。
いくらこちらが小さいとはいえ、この圧倒的な差。あちらが破格の大きさであることは間違いない。
亀頭からしてまるでサイズが違うのだ。
恵多のが親指の先だとすると、あちらは握りこぶし並み。もはや同じ人類とは思えない。
…これだけスケールが違うと悔しさすら湧いてこないものだな…。
…しかし一体何を食べてどんなことをすればこんな立派なサイズに…。
うーむ。
「恵、こっち」
考え込んでいると、ぐいと腕を引かれた。
「俺を跨いで座ってくれ」
「う、うん」
向かい合う格好で、凱の腿の上に腰を落とす。
「ぅおっと」
バランスを崩して後ろに倒れそうになると、凱が恵多の腕を掴んで引っ張り起こした。
「恵。俺の肩持て」
「はい」
両手で凱の分厚い肩を掴み、凱の腰に足を絡める。
「しっかりしがみついとけよ」
「ん」
凱の大きな手が、二本のジュニアをまとめて包み込んだ。
「あっ…」
「いくぞ」
ゆっくりと二本のジュニアを扱き始める。
「あ…っ、あっ…、んっ、あ、ああ…っ」
ダメだ。
閉じても閉じても、口から勝手に変な声が漏れる。
「恵。時間ねぇからちょっと乱暴にするけどいいか?」
もう。何でもいい。
ただただ気持ちよくてコクコクと頷くと、凱はジュニア達を握り直した。
「あっ、あっ、あっ、あっ、ああーっ。あ、あ、あ、あーっ」
激しい。
激しくて、速い。
矢継ぎ早にやってくる快感に、身体がついていかない。
「ああっ、あっ、あ、あ、あーっ、あっ、あ、ああっあっ、ああっ」
待って、待って、少しスローダウンして…!と言いたいのに、待っての「ま」の字も言えず、口からは「あ」しか出てこない。
熱い。
熱い。
熱い。
熱くてたまらない。
凱はハイスピードで竿を扱きながら、鈴口を弄ったり陰嚢や蟻の戸渡りを擦ったりする。そのたびに衝撃が走り、恵多の腰はガクガクと忙しなく揺れっぱなしだ。
「あっ、あっ、あっ、ああっ、あああ、あああああっ、あーっ、あーっ」
お願い。
もうちょっと、速度緩めて…!
そんな恵多の願いも虚しく、凱は更にスピードを上げていく。
「ああっ、あっ、あっ、ああっ、あ…っ、ああっ、ああ-っ、あーっ、あーっ」
山口。
教えてくれ。
世の恋人達は皆、どうやってこの強過ぎる快感に日々耐えているのだ。
「あーっ、あっ、あ、あああああ、あっ、あーっ」
擦れた肌が燃えるように熱い。
ビリビリとした強い快感を絶え間なく与えられ、恵多はただただ悶えるしかない。
山口。
聞こえるか。
こちらジュニアシャトル。
これより大気圏に突入する。
山口。
この感覚を知っているか?
一度も経験したことのない、圧倒的な摩擦だ。
山口、聞こえるか?山口、やまぐ…。
溶ける。
溶ける。
何もかも溶ける。
「う、うあっ、うああ、あああーっ!」
なす術もなく恵多はひたすらに叫び。
「…んああああ…っ」
快楽の高みに登り詰め。
「…っ!!!…っ!…っ!」
恵多のジュニアは爆発を繰り返した。
息を整えて、凱を見上げる。
荒い息遣い。
頬と目元がほんのり紅潮している。
少し潤んでキラキラと輝くアッシュブラウンの瞳がとても色っぽい。
ああ。
綺麗だなぁ。
ポカンと口を開けて、至近距離で見惚れてしまった。
凱が恵多を見下ろして、柔らかく微笑む。
ああ。
美しい過ぎて、胸が痛い。
「ほぼ同時だったな」
「あっ、そうなの?」
「俺、ちょっと加減出来なくて、力強かったろ?痛くなかったか?」
「全然。…凄く気持ちよかった」
「そりゃよかった」
みつめあっていると、何故か頬が熱くなり。
「へへ。何か急に恥ずかしくなってきた」
照れ笑いを浮かべた恵多の頭を引き寄せて、凱が額にキスをした。
初めてのキスは、おでこにだったかな…。
「マズイな、時間がねぇ。風呂行くか」
「っ」
二人とも下腹部がドロドロだ。
凱はティッシュペーパーを抜き取り、二本のジュニアを拭いた。
「一緒に入るぞ」
「えっ?」
恵多が自分でやると言っても凱がきかなくて、結局、凱に洗ってもらった。
恥ずかしがる恵多をみて、凱が笑う。
「何でだよ。俺、あんたのコレさんざん触ってんじゃねーか」
「でも…」
「そういやあんたのコレ初めて風呂で洗った時、あんた完全に寝てたな」
「あっ。…そ、そ、その節は…」
あれは数々の失態の中でも最悪のケースだった。
どれだけ凱に迷惑を掛けたら気が済むのか。
もう二度と飲み過ぎて風呂で寝落ちしない、と恵多は改めて心に誓った。
…やらかすたびに毎回心に誓っているはずなのだが…。
ドタバタと準備して、ブラウン教授のマンションに向かう。
『いらっしゃい。あれ?二人ともちょっと濡れ髪だね。何で?』
「っ」
ドキリとする恵多の隣で凱がしれっと答える。
『二人とも埃っぽかったんでお邪魔する前に風呂入ってきました』
『えー気を使わなくてもいいのにー』
大変だ。
これからこんな毎日が続くのか。
しっかり凱と話し合って、ルール決めしないと、心臓も、体ももたない。
ああ。
なんて幸せな悩みだろう。
恵多は夫人の入れた温かい紅茶を啜りながら、にっこりと微笑んだ。
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