7th contact Zero Gravity

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 壁もピンク、天井もピンク。  ベッドカバーと枕、クッションも淡い桃色で、縁には白いフリルがあしらわれている。  二脚ある木製の椅子は、背もたれがうさぎの顔型だ。  やはりここは『らびっと』の関連施設なのでは…?  恵多はキョロキョロと部屋の中を見渡し、丸テーブルに視線を落とした。  『ガシャポン一回無料キャンペーン中』。  『おもちゃが出たら大当たり』。  ピンク色の文字が踊るチラシと共に、テーブルの上にはコインがひとつ。  隣にはみたこともないほど大きなガシャポン機が鎮座している。  …ここに入れるのかな?  コインを入れてダイヤルを捻ると、大きなカプセルがひとつ落ちてくる。  何だろ?  カプセルを開けると小さなパッケージが出てきた。  精密機器用の工具のような、超極細の、金属製の棒が三本並んでいる。  台紙には『ブジー』と書かれているが、そんな名前の工具は聞いたことがない。  首を捻ると、つつ…と髪から額に雨粒が伝い、頬から顎へと流れ落ちた。  シャツもパンツも雨に濡れ、体に張り付いている。  酔っているせいか道中はさほど気にならならなかったが、水を吸ったシャツの背中がひやりとした途端、抑えきれないくしゃみが口から飛び出した。 「っくしゅんっ」  浴室でシャワーの湯温を確かめていた凱が振り返る。 「おい、恵…」 「っくしゅんっ、っくしゅんっ、っくしっ」  返事をしたいのに、くしゃみが止まらない。 「全部脱げ」  つかつかと歩み寄り、凱は手早く恵多の衣服を脱がせた。 「ゆっくり浴びてこい。…倒れるなよ」 「っくしゅんっ」  くしゃみで返事をして、恵多は浴室へ向かった。  柔らかいシャワーの湯が、恵多の全身に降り注ぐ。  恵多がのぼせて倒れないよう、湯の勢いと湯温をゆるめに設定してくれたようだ。  …優しいなぁ。  でも大丈夫。  僕に何かあっても、彼はすぐみつけてくれるはず。  何故ならこのホテルのお風呂はガラス張りで、ベッドのある部屋側から丸見えなのだ。  …何でわざわざガラス張りにしたんだろうな。  僕みたいな酔っ払いのためだろうか。  それなら非常に有り難い。  …有り難いが、凱と何度も目が合って、少し…いや物凄く、恥ずかしい。 「…あれ?」  気付けば凱はまだ濡れた衣服を着たままだ。  恵多はゼスチャーで、服を脱いで入ってくるよう指示した。  しかし、凱が迷いをみせる。  はやくはやくと恵多が必死に手招きすると、凱はやっと服を脱いで浴室に入ってきた。  筋肉質でずっしりとした凱の前腕を掴んでシャワーの中に引き入れる。 「ん?」  何かが鳩尾に当たった。  見下ろすと、凱のコブラが鎌首をもたげている。 「あ、あれ?何で…」  凱が、フーッと息を吐く。 「さっきから、あんたがエロ過ぎて…」 「僕?僕の何が…むぅ」  いきなり唇で口を塞がれた。 「んんっ、んっ」  凱のキスが激しくなって、恵多はそれ以上、何も話せなくなった。
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