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1st contact 乳首との遭遇
×××
※【君の音色はブルージー】第23話 Not alone を読み終えた方推奨です※
×××
その日。
恵多は初めて知った。
胸部にひっそりと存在する小さな突起状の二つの器官…乳首の恐ろしさを。
こ、こんな、風に、触れ、られ、たら。
「んっ」
マズイ。マズイ。
頭がおかしくなる。
繰り返し体が跳ねて、止まらない。
「あっ」
凱は恵多の反応を窺いながら、両手の親指を上下に動かし、恵多の両方の乳首を何度も弾く。
「ま…待って、待って、息が出来な…」
思わず凱の手首を掴むと、凱が動きを止めた。
「…悪い、いきなりやり過ぎたか」
凱は息の整わない恵多を抱きしめ、宥めるように背中をさする。
「…なぁ、さっきの気持ちよかったか?」
「んっ」
耳元で囁かれ、また腰が反った。
凱が、恵多の肩を掴んで顔を覗き込む。
その瞬間、脳内で凱の声が再生された。
-さっきの気持ちよかったか?
さっきの…。
「…っ」
頭にカーッと血が昇り、首まで真っ赤になった。
-恥ずかし過ぎる…!
顔を背けて視線を避けると、凱が耳元に唇を寄せて呟く。
「なぁ。何でこっちみねぇの?恥ずかしい?」
「…っ」
耳がゾワゾワして、思わず首をすくめた。
ぎゅっと目を瞑ってコクコクと頷くと、凱が耳元で小さく笑う。
「マジかよ。女抱いたことぐらいあんだろ?」
「…っ」
恵多は固まった。
…ない。
断じてない。
一度もない。
肩を落として力なく首を横に振り、のろのろと顔を上げると、凱が愕然とした顔で恵多をみていた。
「…え?」
-ああ、絶対引いてる。
「嘘だろ?」
-嘘じゃない。
恵多は項垂れた。
「…僕は…僕は今まで誰とも交際したことがなくて…だから一度も経験が…」
「は…?一度も…?」
凱が本気で驚いている。
「うん…だからキ、キ、キスも君が初めてで…全部君が初めてで…」
乳首も無論初めてなのだ。
「ご、ごめん…いい歳して、本当にごめん…」
ハァァ、と凱が大きなため息をついた。
-呆れられた…?
恐る恐る見上げると、凱のアッシュブラウンの瞳には炎が揺らめいている。
「悪い…今ので俺めちゃくちゃ興奮した」
「へ?」
あっという間に下着ごとパジャマの下を脱がされた。
「…!!!」
凱がぎゅっと恵多を抱きしめる。
「なぁもうちょい触らせてくれ…ダメか?」
「ダ、ダ、ダ、ダメじゃないけど、ぼ…僕だけ裸でちょっと…かなり…恥ずかし……」
恵多がそう言うと、凱は着ていたセーターと長袖のカットソーを一気に脱いだ。
分厚い筋肉に覆われた上半身が現れて、目が釘付けになる。
-うわぁ…凄い…腹筋が綺麗に割れてる…。
胸から肩、肩から腕にかけての筋肉の隆起はもはや芸術的な美しさだ。
恵多がポカンと見惚れている間に、凱は全てを脱ぎ捨てて全裸になった。
「…これでいいか?」
「…あ…あの…」
勃ってませんか。
その…。
恵多の目は凱の下半身に吸い寄せられ、目の前で絶賛エレクト中の凱の巨大なジュニアを凝視した。
これはあまりにも…!
大き過ぎる…!
食い入るような恵多の視線に気付いた凱が、困ったように笑った。
「入れねぇから、安心しろ」
あからさまにホッとした顔をしてしまい、凱が吹き出した。
凱はベッドの縁に腰掛けると、恵多の体を引き寄せて、自分の膝の上に乗せた。
恵多の背中に凱の胸がピタリと張り付いている。
前にも同じようなことがあった気がする。
でも今日は、洋服越しじゃない。
素肌だ。
背中に直接、凱の体温を感じると、またじわじわと耳が熱くなる。
「こうすりゃ顔みえねぇから、恥ずかしくねぇだろ?」
うん、と頷いたら。
凱の手が、後ろから前に回ってきた。
「んっ?」
ま、また、乳首!?
「あ…ああ…あっ、あっ、あっ」
「…気持ちいいか?」
凱が耳元で囁く。
「んっ、あっ、あっ…もちいっ、いいっ、あっ、あっ、あ…あっ!?」
凱が突然、右手で恵多のジュニアを握った。
「あんたスゲェな…乳首だけで勃つんだな…」
凱の囁きが、湿り気を帯びる。
「えっ、あっ、待っ、動かさないで…っ!あっ、あっ、ああっ、あっ」
腰が、腰がガクガクする。
「うあっ、ダメっ、で、出る、ちょっ、出るっ、出るからっ、止めて、止めてっ、あっ、あっ」
必死で頼んでも、恵多のジュニアを擦る右手の動きは早くなるばかりだ。
「あっ、ダメっ、ああっ、あっ、あっ…」
我慢が決壊した。
「ヤーーーーーー」
ふーっ、ふーっ、ふーっ。
肩で息をする恵多を背後から抱きしめながら、凱がティッシュを数枚抜き取り、恵多のジュニアが放ったものを拭った。
「…たくさん出たな」
「…」
もう、声も出ない。
放心した恵多を、凱はそっとベッドに横たえた。
「ちょっと待ってろ」
うつらうつらしていたら、股の間にホカホカと温かいタオルの感触がした。
瞼が重たくて、目が開かない。
何とか片目だけで薄目を開けると、凱が蒸しタオルで汚れたところを拭き取っているのがみえた。
「…ん…ありがと…」
起き上がりたいが、瞼も体もどうにも重たくて動かせない。
「よし」
拭浄を終えて、凱が恵多の顔を覗き込んだ。
片目をうっすら開けると、凱が微笑む。
「寝ろ」
目を閉じると、瞼の上に唇が優しく触れる。
目尻に溜まった涙を温かい舌で舐められた。
額の上で唇が止まり、そのまま「お休み」と凱が囁くと、恵多はあっという間に深い眠りに落ちた。
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