(〇一)

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 そのページに掲載されている写真は、顔の部分がぼかされているので、実際に莉緒本人かどうかはわからないが、免許証の写真を思い返すと、似てないことはなかった。  掲示板のタイトルは『梅田か十三で楽しく遊びましょう♡』となっており、内容としては、自己PRと身体のサイズ、そして梅田か十三でオトナの付き合いで遊びませんか・・・・ってことが書かれている。  オトナの付き合いとは、セックスのことだ。 「掲示板に掲載された日付と時間を見て下さい」  日付は今日六月五日、時間は12時半となっていた。  つまり、今から一時間近く前である。 「これも、莉緒さんですか?」 「はい、私が知り合ったサイトも同じ写真が掲載されてましたし、アカウント名も同じです」 「間違いなく?」 「確かです」 「これを私に見せて、どうしろと?」 「この携帯は今日のために、さっき購入した予備の携帯なんですけど、これで不動さんが莉緒の掲示板を通じて、彼女に会って欲しいんです」 「それって、私に武藤さんの代わりをやれと?」  この男、とんでもないことを言い出してくれたもんだ。 「はい。やってくれませんか?」  俺は悩んだ。
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