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友の代替の復讐
霞澄姫は洋装のまま、ウタに近寄ろうとした。
川島氏が表れた。
「遺体に近づくな。美しいドレスが血まみれになってしまう。申し訳ないが彼女はこのままにしておいた方が彼女の供養にもなると思う。もう仏様になってしまったんだ。」
「冷たいんだな」
「人生、あえて何事も冷たく考えないと越えられない時もあるんだよ。今日から君のお嫁さん、お願いだから迎えの自動車に乗ってくれないかな?」
「はい」
霞澄姫は外にでる。
皆が見送る中、「お世話になりました。」とだけ頭をさげ
ババアは内心厄介者がいなくなり大金も手に入ったもんだから上機嫌だ。
川島氏は「では、皆の姫を僕は頂いていく、元気でね」と声をかけ車は動き出した。
川島氏が「君に敵討ちをさせてあげるよ、あの高尾太夫の恋していたっていう男へ」
「あたいが」
「わたし、わたくし、とおっしゃいなさい」
「はい、わ、わたくしがそのような事をするのですか?」
「違う。君は拳銃の扱いを知らんだろう?僕が一発、奴の頭にかまして静かに恨みを晴らしてあげるからみておきなさい」
自動車はウタの思い人だった大工の家の前で停車、人通りが少ないところにある。
誰もいなくなったスキを見計らい川島氏は家の中へ入り後ろからウタの思い人だった男を頭、心臓、見事2発で銃殺した。
川島氏は何事もなかったかのように銃を白い布でふきながら乗車
運転手に「でてくれたまえ、予定通りこのまま横浜のホテルへ」
川島氏は冷静な目で「どうだ、すっきりしたか?」
霞澄姫は「できれば、下半身も銃でうってほしかった」
すると川島氏は「あはははは!」と大笑い
「面白いこというねぇ君は!そうだね、もう一発かまし忘れた申し訳ない!」
ものすごい人だなぁと霞澄姫は思いながら、あっという間に横浜に到着した。
ホテルの目の前には上海行の船がとまっている。
ホテルでは2人きり。
川島氏はこれからのことを話しはじめた。
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