江戸川乱歩の長編の児童向けリライトが定着

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 1964年(昭和三十九年)七月より刊行の始まったポプラ社版「少年探偵 江戸川乱歩全集」は一旦十五巻で完結した後、1970年(昭和四十五年)六月よりまだポプラ社で単行本にしていなかった作品の刊行を始める。  光文社では雑誌連載のみで単行本化しなかった作品を含め、第二十六巻『二十面相の呪い』で「少年探偵団」シリーズは完結とする。  一方で、児童向けにリライトされた乱歩の一般向け作品も「少年探偵 江戸川乱歩全集」として改めて刊行された。  「少年探偵 江戸川乱歩全集」は、「少年探偵団」シリーズと、一般向け作品を児童向けにリライトした作品が揃った編成となり、1973年(昭和四十八年)、第四十六巻『三角館の恐怖』をもって完結する。  このとき、乱歩の一般向け長編『十字路』『恐怖王』が『死の十字路』『恐怖の魔人王』として児童向けにリライトされて刊行される。乱歩の一般向け作品の最後の児童向けリライトとなった。  江戸川乱歩の一般向け作品の児童向けリライトは、1953年の『黄金仮面』以来、ポプラ社の様々なシリーズから形を変えて刊行され、最終的に「少年探偵 江戸川乱歩全集」にして落ち着くのである。  ポプラ社版「少年探偵 江戸川乱歩全集」。二十七巻以降が一般向け作品の児童向けリライト。第三十四巻『緑衣の鬼』(1970年第一刷 1984年第二十刷)巻末掲載のリスト 9ef6e40e-1dd3-4141-94f2-5d947e420182  
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