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(24)
「あら、おじさま!」
京子は、大曾根もいっしょに、じぶんと遊んでくれるのかと思って、ニコニコしながら、大曾根の経っている屋上のはしのほうへ、サーッ……とすべっていきました。大曾根はすべってくる京子のからだを、ぐっとだきしめました。そしてなにげないふりをして、京子のからだを、ぐっとだきあげました。
(25)
「あら、おじさま、あぶないわ!」
京子は、大曾根が、たぶんふざけて、じぶんのからだを、金アミのむこうへ、なげてみせようとしているのだと思いキャッキャッとうれしそうにわらいました。ところが大曾根は、ほんとうに京子のからだを、金アミのむこうへ、サッとなげだしてしまいました。京子のからだは、三階だての屋上のてっぺんから、まっさかさまに落ちていきました。(つづく)
<ついに、悪魔の本性をあらわした大曾根は三階から京子をなげ出した‼どうなる?京子‼五月号をお楽しみに>
↓「小学六年生」(1956年四月号)より資料引用
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