最低な夜

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最低な夜

キミの顔はとても不細工だね、フフ …!!! 憤慨する娘。 僕は本当に君が好きだった。だから、それは僕の精一杯の愛情だった。 自分が美人を好まない体質なのは昔から好きになる男性によってハッキリしていた。ブサイクばかり、好きになる。 だから、君が性格ブスなアイツとは違って、本当に君が好きだから、ゴメンね。 拝む仕草をして、僕はキミのことを愛撫する。 キミはいつも僕の胸の中で寝息を立ててた。 僕は静かな夜に、若者が誰も居ない静かな閑静な住宅街で、独り隣の弟が寝ていた昔の部屋で今は、母が眠っているその寝室で、母がラジオを掛けていた。 その流れてくる放送を傍目に聴きながら、独り静かな夜を、ガヤガヤしたTVを消して、浮ついた若い男女関係の悩み相談を聴いて、心底ウザいと反吐が出て、苛ついていた。 静かになると、僕は自分だけになれた。 僕は一人の夜が大好きだ。 自分の部屋には、集めたレコード、今はCDだがそれが書斎に、何百枚も集めたモノが棚に収められている。 最近の若い外人の女の人が歌う歌から、昔のビートルズ、凛として時雨、今のアイドルソングから、何から何まで音楽に彩られた人生だった。それとは無縁になれなかった。 僕は学園祭で、高校生バンドをしたかった憧れがあった。 そんな夢は今でも僕を夢想する。 嗚呼、憧れって本当に、体に毒だ 夢は、叶わないから、明日が怖い。 自分がいつ殺されるか、そんな背後の影にいつもいつも僕は夢見心地が悪い。 悪夢でいつもいつも目が醒める。 死にたい そんな感情がいつも僕を罪悪感に支配する。 それに打ちのめされて、僕は虚空を漂流している。 揺蕩う(たゆたう)様に、流麗に繊細にー。 孤独な魂は、死んで尚、僕自身を捉えて離さない。 時代が超越し、時空を超えて、世界はまた、悲劇を繰り返す。 世界が壊滅し、そして、僕は地獄の底で、地べたを這いつくばっている。 "世界や夢が僕を孤独から救います様に" 忠誠と誠心誠意を込めて、貴方の為に祈る。 屈服した 何処かで砲撃の音がした。 しかし、僕には現実の、仕事に明け暮れる日々に追われる毎日だ。 そんな暇に付き合う時間がない。 明日がなければ、自由もない。 僕は、明日が怖い。 助けてくれー。 あの子が見た夢の中 僕は、キミをコロシテナイカ?いつだって、怖いのは、本来の僕ではない別の僕がボクを壊す事だ。 もう、後ろは一切振り返らなかった。 何処かで誰か別の奴が、教えてくれた。 山荘に行って、と。 ん、どうして? そこで静かに過ごして。 …わかった そして、僕は自分が望んだ場所に甘えているの。 此処はガヤガヤしている。 僕は、静寂な、何もない世界にいたのだ。 忘れさせて 夢なんか 夢なんか 叶えなくていい。 自分が誰なのか、もう視えてしまった。 僕は、怒りが、発火剤と起爆剤だ。 全ての混沌を破壊する、僕を壊すもの全て、僕の脳内から、弾き出す。 弾は、背後のモノに見事命中した。 オレが、お前を懲らしめてヤるんだ 全部ゼンブ、ブッ壊す。 ゼンブゼンブ 自分自身すら、無くして。 全て、亡き者にするんだ。 お前達を 愉悦が怖しい程に僕の脳内を、快楽で溶かした。 明日には社交界で、パーティが有る。 日頃の恨みを、彼らに向けない様に気をつけなくてはな、ハハ。 私は、ネクタイの結び目を直す、伴侶に向けて、そう言った。
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