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身分不相応
帰りすがら、見かけた昔幼女に痛い仕打ちをした過去が頭をよぎり、彼女の身内が偶然現れた際に、背後から刺すような視線を感じ、不愉快になり、舌打ちをした。
後から聞いたところによると、家の身内の犯した娘の弟に当たるらしい。土方らしい風貌と体格を要し、初めてあんな体躯の男を見た、とそう父は語った。
僕には痛い過去だ。
負い目がある。
まだ、小学一年生の時に、幼稚園にいた、一歳下の娘に、ギョウチュウ検査だと遊びで、ふざけていたのだ。
そればかりではなく、我が小学6年の時、四年生の近所に住んでいる娘のまだ、園児だった頃、その娘に向かい、パンツを脱げ、でないと、妹を犯すぞと連れ立っていた同級を絡み、そう脅した。
泣く泣く娘は脱ぎ、背後から悪だった僕は、女の股を覗き見、ワラッタ。
最低な下衆だろう。そう言う事は、家に来たその娘の視線で気づいた。私を呪い殺さんがばかりの怒りに打ち震えていた。
バツが悪かった私は、その場に居合わせた父の影に隠れる様に逃げ込んだ。
私の過去は崩れていた。
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