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「キュアリビドーの歌詞って悪魔から精液を搾取されたり、誰かに思考を読まれたり、逆に読んだりするじゃないですか」
「はあ。それがどうした」
「あれどこまでリアルでどこまでファンタジーなんですか」
直井はよくよく考えてざっくばらんに言った。
「そういうの言えば言うだけこっちは損だな」
「教えないんですか」
「そっちで補ってよ」
「じゃあ。せめて悪魔的介護の歌詞はどう解釈すればいいんですか」
ちなみに「悪魔的介護」の歌詞は以下の通りだ。
黒い渦の中に/何度も飲み込まれ/生き返る/そういう定め/当たり前の経験を手に入れる前にすり抜ける/僕に悪魔が憑いている/真っ黒な濁流は/僕の生命を掠め取る/そういう定め/血腥い定め/僕は抗わない/終わらない定め/終わり方がわからない/それがあんたの為なら/本当は駄目だけどね/今までうまくいったことあるか?/初っ端で挫かれる/僕には悪魔が憑いている/じめじめした湿気に覆われて僕は射精する/血腥い定め/今は抗わない/もうそろそろ終わる/そんな気がしている/あなたはもう長くない/だったら最後まで付き合う/本当は駄目だけど/血腥い定め/最後に一つだけ/僕はパパに似てたかな/それだけだろう/あなたはもう死ぬ/最後を看取るのは/この僕しかいない/さっさと死ね
「どう解釈してるの、今のところ」
「親子の話かと」
「普通そうだろうね」
「違うんですか」
「なりたい自分を描いただけ。実際うちは普通だよ」
「なんで近親相姦になりたいんですか」
「見たことない? 虐待されている人」
「私友達いないからわからない……」
「虐待のある人生を送っている人はセクシーだよ」
そういわれてもわかるようでわからないようでわかるような。小説とかで虐待がモチーフになっていると、登場人物に魔力が生まれる。そういうのはわかる。
「角川さんは毒親みたいですしね」
そういうと直井はしいん、と黙った。そして怒った。
「5ちゃんねるを見るな」
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