タイムマシーンという「報われ」

6/7
前へ
/65ページ
次へ
 体操着を脱いでにおいをかいだら、風呂に入っていない臭いがして嫌になってきた。これから古典の授業は寝て、英語は授業と予習を同時平行して、掃除ののちホームルームでタイムスリップするかどうか悩もうと思う。今のところ行かないほうがいいと思う。昨日の今日だし。今日行ったらあと一回しか行けなくなる。 「おうおう丸山さん、進路のこと考えてますか?」  担任のやたらおっぱいがでかい国語教師は私の進路をどうにかしないと肩の荷が下りないらしい。この人もあれなんだよな。私と一緒くらいの年齢の息子がいて、塾にやって、大学厳しいラインかなどうかなっていう状況なのをクラスメイトが噂してた。そんな状況なのに「おうおう丸山さん」なんてよく言えるなあ。まあ、担任の息子よりヤバいのは私だけどなあ。 「高卒でフリーターってヤバいですかね。地元のコンビニとかで働こうかと」 「この高校のフリーターはあんまりいいもんじゃないよ」 「でも私の成績で大学行けないじゃないですか」 「理系は無理って話よ。私立文系なら近所のあそことかいいじゃない」 「でもめぼしい学部がない」 「大学にはこだわりないって言ったじゃない」 「つまんないところには行きたくないです」 「あんたねえ。高卒でフリーターなんかもっとつまらないよ」 「職業に貴賤つけていいんですか」 「こっちは職業じゃなくてあんたを見て言ってんだよ」  なんか厳しいことをいつも言われる。この担任は私のこと人として好きじゃないんだろうな、話しててムカつくだろうな、というのを感じる。なんでなんですかね?
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加