呪術というオナニーは報われるはずがない

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 僕は彼女と話をして、コインを投げる。  彼女は大学生だって。コンビニでアイスを三つ買ったらそれが夕食だって  僕は世界征服をするための予定表を伝え、意見を仰ぐ。  彼女はいくつか質問して、僕の作戦に賛成する  僕の夢は世界征服。今日も新宿をパトロール  僕の夢は市民を幸せに導く。新宿に大金をはたき二時間かけて帰る  いい曲だなあ。こんなにいい曲なのにみんな全然知らない。どんなに教えてあげたくても教えてあげたい人がいない。  今日も家に帰る。そしてさっさと寝る。ベッドに向かう途中、父親の部屋が目に入る。鏡台の上にピンクのチラシ。……風俗だ! 父さん風俗に行くのか。最低だな……。そう思いチラシを手に取るとなんとタイムマシーンのチラシだった。一律、三回で10万円。高校の二駅隣のドヤ街のマンションの一室でやってるらしい。 「何やってるんだ」  お父さんが帰ってきた。 「これ、どこで貰ったの?」 「母さんには言うなよ」 「これやりたい」 「馬鹿なこと言うんじゃないよ」 「父さんは10万平気で使うじゃん」 「まあな」 「私だって10万円だけの鬱憤がある」 「タイムマシーンを買うのか?」 「お願い。お年玉で半分出せるから、5万は無理かな?」 「別に5万出してもいいけどな、絶対そのタイムマシーン偽物だぞ」 「父さんになにがわかんの。やってみないとわかんないじゃん」
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