3.決戦

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「必ず当ててみせるさ」 「当たり前でしょ、コールドシュートには自動照準機能がついているんだから。そうでなければ、誰があなたのお守りなんて」  危うく、颯爽と引き抜いた愛銃を取り落とすところだ。  前言撤回。私へのリスペクトなど欠片もありはしなかった。  だが、それでいい。よくぞ自動照準のことを思い出してくれた。  ヒーローたるもの、冷静たれ、だ。 「しかしこれでは、撃っても小型に当たってしまう。どうするんだ?」 「こうするのよ」  幸村が、ステッキを下から上に振り上げる。  杖先から生まれた凍てつく竜巻が、私と幸村を上空へと放り投げる。 「こういうことは、やる前に、言うべきではないのか!」 「見えたわ、あそこ」 「なんと!」  上空に弾き飛ばされたことで、我々はイナゴの大群を見下ろす格好になっていた。  ここからなら確かに、本体のイナゴ怪人の姿がはっきりと見える。 「終わりにしましょう、リーダー!」  ぶるりと武者震いをした。銃を構える右腕に力がこもる。  下では残りの三人が、必死に食い止めてくれている。  幸村も、残る力を振り絞って、私を上空に持ち上げ、凍てつく竜巻を制御してくれているのだ。  絶対に、外せはしない。 「いくぞ、コールド……シュート!」  青白い閃光が発射され、一直線にイナゴ怪人を貫いた。  幸村の制御によって地上へと舞い降りた私は、仲間たちの激励と称賛に囲まれた。 「黒ちゃん、やるじゃない! かっこよかった!」  飛び跳ねて喜ぶ黄之瀬の、ストレートな言葉に大きく頷く。 「一時はひやひやしましたけど……なるほど、自動照準ですか。素晴らしい機転です」  提案してきたのは幸村だが、決めたのは私なのだから、この際いいだろう。紺野の言葉にも私は大きく頷いた。 「リーダー、さすがっす。やるときはやりますね! これからもお願いしますよ!」  赤木、調子のいいやつめ。だが悪くない。私は若きレッドとしっかりと握手を交わした。 「……もっとサポートが必要かと思ったけど、意外とやるじゃない。見直した」  そして幸村。素直でないのは相変わらずだが、私を認めてくれているのは確かだ。 「ありがとう、みんなありがとう。だが、ここからが本番だ」  もう一度、ぶるりと武者震いをした。  いつものパターンであれば間違いなく、イナゴ怪人は巨大化する。  それを倒しきってこそ、地球の平和が守られるのだ。
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