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全身ヒリついて痛かった。何が、絶望と堕落は蜜の味だよ。酸っぺえ。
そういえば普通、現実って実際どうだったっけと考えたら夢が覚めた。
◇
電灯の光が強烈だった。それは部屋全体が真っ白だからかもしれない。電灯自体は普通のものだろう。白い部屋で僕は久しぶりに熟睡した。変な夢だった。
病院は意外とこじんまりしていて、お屋敷を改築したような造りになっていた。普通、何階建ての数棟で、階数が上に行くほど入院日数が長くて、二階だけは霊柩車が近い人、みたいなものかと思っていた。精神病院とはそういうものだ。今回は横並びに全員二階にいる。
初めて入院した時は独房のような措置室に入れられて、約一か月軟禁状態だった。食事と服薬の時だけ看護師が入って水とお盆を用意する。僕が何をしているのかは常時監視カメラで撮影されている。何部屋かあって、物音の激しさや様子のおかしさが最もうるさい人がズームされるらしい。今回、そういう思いをすることなく大部屋から入院がスタートする。この病院にも独房らしき措置室はちゃんとあった。
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