緊張

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緊張

「さぁ、入って」 「あ、あぁ……お邪魔します」  アンはリックを家に招き入れ、その後にリーンが続く。  家に入るといかにも高そうなアンティーク物が沢山飾られていた。  リックはそれらを壊さないように慎重に案内された椅子へと座る。 「ちょっと待っててね。今紅茶でも入れるわ……リーンも座って待っててね」  そうアンが言うとリーンは椅子へと座り、アンはキッチンへと向いヤカンに水を入れ火にかけるとしばらくしてお湯が湧き、用意していたティーポットに紅茶の葉を入れお湯を注ぎ入れる。  蓋をして蒸らす。  部屋の中が紅茶のいい匂いが充満する。  3分後、出来たらしくアンは紅茶をリックとリーンの前へと出す。 「はい、どうぞ」 「あぁ、ありがとう」  リックは出された紅茶を飲む。 「美味しい」  紅茶は母親が好んで飲んでいて、リックもたまに飲んでいた。  でも紅茶自体少し高価なものでたまにしか飲めないが、自分が飲んでいた紅茶より今飲んでいる紅茶の方が美味しいと感じていた。  気づいたら紅茶を飲みほしていた。 「美味しい紅茶をありがとう」  そうリックが言うと、アンはニコッと笑った。  その笑顔にリックは少しドキッとして顔を赤くした。  そういえば、自分と同じくらいの歳頃の女の子とは話したことあまりなく、アビィの時は気づかなかったがリックは今気づいた。 「どうかした?顔が赤いけど……大丈夫?」 「あ、あぁ……大丈夫だ」 「そう?ならいいけど」  リックは途端に緊張し始めて黙り込んでしまった。  いきなり黙り込んでしまったリックにアンはジッとリックを見ると見られてることに気づいたリックは更に顔を伏せる。 「そんなに緊張するな」  今まで黙っていたリーンが一言そう言いアンもリックもリーンを見る。  アンは少し驚いた顔で見ていた。 「驚いた、貴方が他人にそんなこと言うなんてね」 「悪いか」 「いいえ、そんな事ないわよ……嬉しいわ」  リックはリーンとアンを交互に見る。  それに気づいたアンはクスッとと少し笑った。 「ごめんなさい、リーンは他人には滅多に喋らないし、喋っても敵対心剥き出しだから……リックが初めてよ、あんな他人を気遣うような事を言ったの」 「そうなのか?」 「それほど貴方の心が綺麗って事ね」  アンは小さくそう言った。  リックはよく聞こえなかったようで首を傾げていた。 「ところで、リックはなんであの森にいたのか聞いてもいいかしら?」 「……」 「言いたくないならいいのよ?」  言っていいのか迷っていたらアンは優しくそう言ったがリックはなぜだかアンやリーンには言っていいと思えた。  むしろ言わないといけない気がして、どうして自分があの森にいたのか語り始めた。 
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