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柔らかに頬を撫でる湾岸高速の潮風にて小娘は目を醒ました。
小娘が目を醒ました場所、そこは清輝が駆る黒いオープンカーの助手席であった。
驚いたかのようにその目を瞬かせる小娘へと清輝の凜然とした声が投げ掛けられる。
「目が醒めたか、小娘よ?」と。
清輝からの呼び掛けで漸く我に返った小娘は、彼へと問いを投げ掛ける。
「こっ、此処は一体何処にて御座います?」と。
「此処は俺様の丁髷カー!
これより俺様の天守閣タワマンへと戻り、己と懇ろに閨と共にするもの也!」
その清輝の声は凜然とした響きを帯びつつも、色濃い欲情もまた漂わせていた。
これから始まる清輝との情事の予感に思わず欲情を覚えた小娘は、その頬を赤らめる。
清輝が発散させる濃厚な生命力と色香の前に、小娘の躯は知らず知らずのうちに彼を欲して疼き始めていた。
丁髷カーの黒く艶やかな有様は、清輝の丁髷を彷彿とさせるものだった。
丁髷カーが疾駆する様を目の当たりにした町娘達は矢も楯も堪らず、その胸に欲情を滾らせながら追って駆けて行く。
清輝の住まう天守閣タワマンへと丁髷カーが辿り着いた時、そこには大勢の町娘達が列を為していた。
清輝は丁髷カーの運転席から、列を為す町娘達にこう呼び掛ける。
「今宵はこの小娘と事を為す。
故に明日の夜からまた来られたし!」と。
彼の言葉を耳にした町娘達は三々五々引き上げていく。
助手席に座る町娘は、これから繰り広げられる清輝との情事の予感に、その躯の滾りをより熱のあるものとした。
その夜。
小娘はこの世のものとは思えぬ程の快絶な悦楽をその躯にて味わい尽くした。
清輝の舌、指先、そして丁髷は小娘の瑞々しい躯を隅々までを遍く愛撫し、それは小娘を幾度と無く絶頂へと至らしめた。
清輝の滾りは小娘の熱き潤いを幾度と無く貫いた。
小娘は狂乱せんばかりの快楽にその身を翻弄され、数限りなく絶頂を迎え、そして際限も無いまでに忘我の境地へと達した。
幾度と無く交わした情事の合間
快楽の荒波に散々に翻弄され息も絶え絶えとなった小娘は、荒い息の中にて清輝へこう訊ねた。
「清輝さま…、ヒロポン団子密売の頭目は…、
如何…、なさるのでしょうか?」と。
小娘は案じていたのだ。
あのヒロポンの禿頭が清輝に対して報復を企てることを。
つい先程まではあのヒロポン禿の小間使いであった小娘であったが、今や清輝に身も心も捧げ尽くしていたのだった。
けれども、清輝は臆する気配など微塵も漂わせぬ凜然たる口調にてこう答えた。
「案ずるな!
あの禿頭は、もうこの世には在るまい。
丁髷大明神のお導きで、今頃は三途の川の畔にて脱衣婆の厄介になっておることだろう!」と。
何かを問い掛けようとした小娘であったが、彼女のその口は意味の有る言葉を発する前に清輝の唇によって塞がれた。
驚きを帯びた、くぐもった呻きを上げようとした小娘であったが、その呻きはたちまちのうちに悦楽の吐息へと変わった。
清輝の舌は小娘の口中へと押し入り、その舌を嬲るかのようにして弄ぶ。
清輝の白魚の如き指先が小娘の熱を帯びた柔肌を繊細に這い撫でる。
潤いに満ちた箇所を細やかに弄る。
小娘はたちまちの内に達し、その躯は清輝を求めるかのようにしてくねり戦慄いた。
小娘がその身に漲らせる欲情に答えるかのようにして、清輝はその滾りを小娘の潤いに押し当てる。
小娘の口から甘い吐息が吐き出される
清輝は一息に小娘の躯を貫いた。
小娘は悲鳴のような悦びの声を上げ、清輝の動きにその躯を委ねた。
小娘の意識の中にて何かが爆ぜた。
理性の箍が弾け飛んだかのようにして、小娘は只管に喘ぎ、一心不乱に清輝を求めた。
小娘の求めに応じるかのようにして、清輝の動きはその激しさを増す。
小娘の艶めいた悦楽の叫びが清輝の耳朶を擽る。
その叫びに促されるかのようにして清輝の欲望は膨らみを増し、小娘を更なる悦楽の淵へと堕とすのであった。
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