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そして、牛車に乗り・・・あの時は余り思わなかったし夜だったから周りが見えなかったけど。
下町って結構アレだな。
なんていうか・・・・差別とかじゃなくって。
汚い。
まあ、仕方ないんだろうな・・・。
税金高いって言ってたし、歴史で。
貧富の差が激しかったって。
映画とかじゃあ、そこまで再現されないけどさ・・・。
皆、土埃にまみれてるよ。
それでも、子供達は元気に駆けずり回ってる。
ちらりと見れば、清明は我関せずと言った感じで本なんか読んじゃってるし・・・。
そんな事思ってれば、ふと清明がぱたりと詠んでいた本を閉じて。
閉じると同時に牛車は止まっていて。
「着いたぞ・・・。」
そう言って、先に降りて私をおろしてくれた。
「あ、ありがと。」
「ふっ・・・礼には及ばん。」
そう言った清明にちょっとときめいちゃったのは仕方がないと想う。
だが、そんな事を考えてる暇もなく。
ひそひそと周りの声が聞こえる。
どうやら私の服装についてみたいだ。
「さ、入るぞ・・・。」
「うん・・・。」
やってらんねー・・・そう想う矢先に清明は私に気を使ってくれたのかすっと店屋に入った。
どうやら呉服屋みたいだ。
「これはこれは安部様、この度はいかがなされましたか?」
「ああ、この方に似合うものを見立ててやってほしい。」
「かしこまりました、おや・・・見たことのない服で・・・異国の方ですか?」
「まあ、似たりよったりというところか・・・出身はコノ国だがな。」
「左様で・・・ささ、姫様・・・こちらへどうぞ。」
「は、はあ・・・。」
私はそのまま、奥へと連れてかれてしまった。
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