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4.初体験は心臓に悪い
夢を見た。
「助けて・・・。」
綺麗な女性が蜘蛛の巣に囚われてる。
「あなたは・・・誰?」
だけど、聞こえないのか「助けて助けて」と必死にもがいてる。
そして、声がした。
男の人の声が。
「お前は~~~か?」
と。
「え?」
「お前は~~~か??」
「誰の事? なまえが聞き取れない。」
そう聞いた瞬間に一陣の風が吹いて目が覚めた。
「・・・夢?」
そう、それは摩訶不思議な夢。
頭の中では余りにもリアルすぎる夢で私は追っついていなかった。
「えりか姫、ご主人様がお呼びです。」
すっとふすまが開いて式神の凛が入ってきた。
「あ、うん・・・支度したらいく。」
「ではこちらへ。」
どんなに人間っぽくても人間じゃない。
妖でも、妖精でもない存在。
せいちゃんが作り出した存在。
だけど、とってもかわいいからついつい人間と同じように接してしまう。
「今日も天気がいいねえ。」
「はい。」
感情などないとせいちゃんに言われたが、そうは見えない。
まったくもって巧妙な存在だ。
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