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5.事実はいつだって突き刺さる。
さて、屋敷へと舞い戻ってきた私たち。
「・・・で、結局どうして私を契約にもっていったの?」
そう問い詰めれば、扇子で仰ぎながらせいちゃんは言った。
「面白そうだから。」
「殴るぞ?」
「うむ、・・・というのは冗談で・・・と言うより、姫よ。 その拳を収めてくれないか?」
ったく、最初っから真面目に答えろっての。
「で?」
「うむ、先ほども少し伝えたと思うが俺がそばにいる時ならば守れるが俺がそばにいない時に何かあった場合守れなくなる。 だったら手っ取り早く契約を結ばせいかなる時にでも己の身を守れるようになってほしくてな。」
そういった彼の目は真剣そのものだった。
「それだけではなかろう・・・。」
そう己龍がつぶやいた。
するとまたしても彼はふっと笑みを浮かべていった。
「うむ、後は・・・貴女の神力を目覚めさせる為・・・か。」
「え?」
神力?って・・・。
どういうことだと聞く前にせいちゃんは答えた。
「えりか姫、貴女は神力のある家系のようでな。 俺やこの平安京の来る未来に必要なのだよ。」
「え?」
それは一体どういうことだ?
来る未来って・・・。
「まあ、簡単に言えば巫女・・・のような役割か。」
「ったく、どうしてわしが人間なんかと契約してこの京を守らねばならんのだ。」
「しいて言うならばえりか姫の平和なる未来のため・・・ですよ。」
そうせいちゃんはつぶやいた。
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