3人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいですか、えりか姫に質問です。
ここは今一体どの時代だと?」
「平安京の時代。」
「では己龍様、時代錯誤という言葉を知っておりますか?」
「うむ・・・しかし、えりかが退屈だと申すからのお・・・。」
私たちは今、正座をさせられてせいちゃんに説教を食らっていた。
「だってえっ!!己龍が大丈夫だって言ってたもん!!」
「だってもくそもない!! 外の周りまで響いてました!! 貴女の歌声が人々を魅了し立ち止まっていたんですよ!!」
「まあまあ、次はもう少しボリュームを下げてだな・・「ボリュームとは何ですか?」・・あ、はい・・・音量です。」
「音量を下げれば聞こえないと?」
「いや、その・・・音量を下げてなおかつ聞こえないように結界を張っておきます。」
「ほお・・・それで大丈夫だと?」
「はい。」
こっわ・・・。
いや、せいちゃんは普段おとなしそうな顔してるけど怒るとまぢで怖いわ。
神様である己龍が冷や汗掻いてるもん。
しかも、せいちゃんの背後からはなんかどす黒いものがあふれてるし。
「えりか姫も聞いてますかっ!??」
「はいいいいいっっっ!!!!」
やべっ!
半分聞いてなかった!!
「ほほお・・・その様子だと、私の話しは退屈だといいたいようですね。」
「め、めっそうもございませんっ!!しかと聞いてるでございまするっっ!!!」
ひいいいいっ!!
怖いよおおおおおっ!!
「とにかく、金輪際そのからおけとなんやらは音量を下げて己龍様がしっかりと防音結界を張らないのであればしないと約束なさいっ!」
「はいいいいいっ!!!」
私はビシイっ!!と啓礼しておいた。
「ふむ、よろしい・・・まったくもって油断も隙もない。 私がいないからと・・・。」
ぶつぶつとまだ文句を言うせいちゃんに私と己龍はぼそっと会話を交わした。
「こえーよ・・・。」
「うむ、あれは超こえー部類だな。」
「聞こえてますよ。」
「「すんませんでしたああああっ!!」」
うん、とりあえず。
謝っておけだな。
最初のコメントを投稿しよう!