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「魔素溜まりってのは、人間の感情の淀みの集まりと大気中に漂ってる魔素が混ざって出来てる。魔獣は勝手にそこから生まれるんだ。元をただせば生みの親は人間だ」 「え、淀み?」 「ネガティブな感情。つまり、妬み、恨み、恐れ、憎しみ、みたいなヤツと説明書に書いてある」 「・・・は? ヘ? 説明書ッ?!」 「乙女ゲームの説明書」 「ええええええええぇッ!!」  何今更驚いてるんだコイツ? みたいな感じでシルエットだけで肩を竦める魔王。 「だってここは、ゲームの中だぞ?」 「??? じゃあ、魔王ちゃんは何処にいるのさ?」  オバちゃん大混乱。 「俺は自宅で、ソファーに座ってテレビの前に座ってる」 「魔王ちゃんの家ッ!?」 「で、さっきまでスマホでネットゲームをしてた」  なんだソレは?! ×××  黒い軍馬のイオに乗ったシルフィーとベイジルは、無事に例の黒いパンケーキが見つかったという森の見える丘へやってきた。  最初見つかった国境付近から広がり続け、王都から馬で一時間ほどの森の中にまで広がっているらしい。 「ここから見る限り、変わった様子は無いみたいですけど」 「いや、北の方角の木が枯れている」  確かにベイジルが指差す方向に向け望遠鏡を覗くと高い木々が見えるが、幹も枝も枯れて白くなりまるで骨のように見える。 「あんな風になるんですね」 「ああ。まだ魔素溜まりに飲み込まれていないが、確実に影響は出ているようだ」 「王都からあまり離れていない場所なのに・・・」
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