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「お隣さんの503号室、ワヤン・クリの変人マスターだ」
古本喫茶の玄川マスター。怪しい呪術に使いそうな奇妙な仮面を常にかぶっている。実はまだいちども素顔を見たことがない。
「あの人、怖い。何でいつも化け物みたいな仮面つけてるの。僕、何となく狙われてるような気がするし。あの店、完全に魔界じゃん」
ミカが怯えた目をしてふるふる震える。
入居後すぐに挨拶に行ったが、予想を裏切る異世界空間にふたりでひっくり返った。不気味なお面と世界の魔術書みたいな本のオンパレードだし、マスターはオールウェイズお面だし、ヴァンパイアだとバレたら杭を打たれてコレクションにされる気がする(まあうちらは杭打たれても死なないんだけどさっ!)。
「マスターは無理として、学生さんがふたり入り浸ってるよね?」
「ユーリくんとリューセーくんだ。マスターの悪の手下かな? でもあのふたりは若くて食べ頃。調査続行」
女の子みたいな男の子が勇理くん、メガネの方が流星くん。ときどき廊下で挨拶をする。
ミカが、マスターはヴァンパイアハンター(悪)、と赤字で殴り書きをした。
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