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205号室。猫を溺愛しすぎて頭のおかしい西岡さんと愛猫のハナちゃん。ピンクピンク、と歌いながらいつもルンルンで帰ってくるイケメンだ。ときどき野良猫も出入りしている。
「にゃんこ……僕、大好きなのに、何でいつもフーッってされるの? 泣きそうだよ。問題はあの野良猫! 完全に僕を獲物だと思ってるからね!? 野良猫の分際で!」
「コウモリは辛いのぅ。西岡さんはにゃんこ変態だけど美味しそうだよね。こんど俺だけひとり飯してきてもいい?」
ミカは『あの野良猫、こんど会ったら許さない。フランス宮廷貴族の意地とプライドにかけて絶対に勝つ』と赤字で宣戦布告を書き込んでいる。こっちの話ぜんぜん聞いてくれないんですけど。
303号室、宇佐美さん。夏休みだけの短期入居らしい。真面目でピュアな高校の先生だ。春さんというしっかり者の女子高生がご飯を作りに甲斐甲斐しく通ってくる。
「……可もなく不可もなくといったところかな。シャケと味噌汁と納豆って感じ。ハルさんの方が美味しそうかも? きっとカレーをスパイスから作るタイプだ」
「でもハルさん、ここに泊まらないで帰っちゃうからなぁ。イマドキめずらしい清く正しい両片思い。残念だねぇ」
夫婦になったらまた来てね、と赤ペンで記入。
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