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そろそろ会議に飽きてきたふたり
我が家の西側のお隣は、管理人さんの義理の甥っ子だという高校生芹くんの部屋。
「セリくんはミントガム味がしそう。胃もたれスッキリ。でも管理人さんは絶対吸っちゃダメだね」
先日、肺気胸で入院していたらしい。血まで足りなくなったら本当に死んじゃいそう。
「管理人さんって、絶対セリくんが好きだよな。しょっちゅう溶けてるもんな」
「ハリネズミ男子、ドMにはたまんないらしいよ。でもさぁ、セリくんって管理人さんちに入り浸ってるから全然チャンスがないよね。コウタロウに吠えられるから管理人さんの部屋には行きたくないし。セリくんって16なのに一人暮らしもできないなんて、ほんと甘えん坊だよね!」
「甘えん坊将軍のミカちゃんに甘えん坊呼ばわりされるのは、セリくんも納得いかないんじゃないですかぁ?」
生意気なことを言うのでからかってやった。ミカの真っ白な頬がボッと赤くなる。
「だって、僕はまだ14だから!」
「中身は320歳のくせにー。アルファ・ビルヂング一、っていうか日本一、っていうか世界一の最長老じゃないですかー?」
「長老言うな! 僕はぁっ! 永遠のっ! 14歳なんですっ!」
怒って殴りかかろうとするミカを笑いながらよける。
「コウモリで迷子になっちゃったときとか、うわーん、うわーん、っていつも泣いてるじゃん。うわーん、テオどこー、怖いよーさみしいよぉーって」
「わぁーー! うるさいうるさい! テオがちゃんと僕の後ついて来ないからいけないんでしょっ!」
「コウモリの後ついてこいとかムチャ振り〜。本当に手がかかるね〜お前は〜。はいはい、こちょこちょ〜」
脇をくすぐるときゃらきゃらと床に笑い転げる。
本当にちょろい。世界最長老ジジイのくせに可愛いすぎかお前は!
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