ミカ危機一髪☆三茶の空にヤバい宇宙船

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ミカ危機一髪☆三茶の空にヤバい宇宙船

(※最終章、ますますくだらない下ネタドタバタコメディになります。下ネタ苦手な方はごめんなさい😅無理に読まなくても大丈夫ですからね!) 「テオ、知ってる? アルファ・ビルヂングではいま極秘の大捜査が行われているんだ」 「捜査?」  ベランダから身を乗り出したミカがこちらを振り向き、真面目な顔をして言った。  またアルファ・ビルヂングおなじみのトンデモ展開勃発か。話に付き合ってやるため、迷走中の原稿から顔を上げた。  締め切りまで時間がない。それなのに原稿に納得いかず、ぐちゃぐちゃといじり倒している。  近頃セックスシーンがマンネリ気味な気がするのだ。ミカに協力を要請して、新しいプレイでも開発するか―― 「うちの向かいに海善アパートってのがあるでしょ? あの地下駐車場に偵察員がうじゃうじゃたむろってる。うちのマンションに来るア○ゾンの配達員とか宗教の勧誘なんて、ほとんどあそこのスパイだよ」 「何だよ、そのトンデモ展開。それで、何を調べててるわけ?」 「402号室の住人を調べてるみたい。だからね、どんな人なんだろうと思って、僕が先にコウモリで内偵に出てみたわけ」  ふんふん、と適当に頷きながら、どんなプレイをしようか考える。  あんまり痛いのは可哀想だけど、縛って吊り下げるくらいなら――  ミカはベランダからパッと走ってきて、俺のタブレットの上に身を乗り出した。 「正体、何だったと思う?」 「――ちょっと、吊り下げてみてもいい?」 「――あの、聞いてます?」  ミカが不満げに眉をひそめる。仕事人間ですみません。  反省してじっと答えを待っていると、ミカはごくりと息を呑んだ。 「……驚かないでね」 「うん。驚かない」 「何と――だったんだよ」 「…………」  こういうときどういうリアクションをするのが正解なのか、120年経ったいまでもわからない。大袈裟に驚いてやればいいのか、腹を抱えて笑うか―― 「へ、へえ……」  一番テンションの低いリアクションをしたら、ミカの目尻がキッと吊り上がった。
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