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続続・テオミカ♡食べ歩き会議
つぎは405号室。皆岸さんという、地味で猫背で薄っ暗い青年だ。
世界に対する恨みつらみオーラが全身からダダ漏れている。それなのに意外や意外、アカリさんという彼女と同棲中。もっと幸せそうにすればいいのに。ツンデレか。
「……ミナギシさんは正直、ぜんぜん食欲そそられないなぁ。でも彼女さんの方はピリリとスパイス効いて美味しそう。後味がクセになる感じ」
「トムヤムクン? チリコンカン? 麻婆豆腐四川風?」
「食べたこともないくせに、ミカはよく知ってるよね」
「僕は食の流行には詳しいんだ。毎日コンビニの新商品をチェックしているからね。今週のセブンはハワイアンフェアをやっている」
やることがなくて暇なのだろう。基本的にヴァンパイアは暇だ。
「若い男は精がつくけど、若い女の子の血って流行りのカフェメニューっぽくていいよね。あの正体不明のカタカナメニュー。アカリさんっておっぱいも大きいし、プリっとピリっと美味しそう」
「そうそう、プリプリ海老マヨ……って、えっ!? そういやテオってそういうのがタイプだっけ!?」
途端にミカが目尻を釣り上げる。ミカの前に付き合っていた巨乳の美女をミカはまだ忘れていない。
「ダメダメ! あっぶなー。アカリさんにはお触り禁止! じゃあつぎ!」
アカリカフェ立ち入り禁止、とミカが赤字で書き綴る。
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