恋との夜

1/2
前へ
/9ページ
次へ

恋との夜

少し歩いた先の恋のアパート。 着くまでにコンビニに寄り、色々、籠に詰めて買い物をした。 おとなしくて、会話もスムーズにいかない私は学生時代、友達という友達はいなかったから、なんだか楽しい。 籠を取った恋は入り口付近の小さな化粧品の置いてあるスペースに向かった。 「これ、すみれに似合いそう。発色はどうだろ?」 暫しリップスティックを見つめ、リップスティックと新色のマニキュアも籠に入れた。 「今度、一緒にネイルサロン行こ?私の行きつけのとこ、安いから」 確かに恋の爪はいつも可愛くてオシャレで。 私は、うん、と頷いた。 雑誌コーナーでは恋が読んでるらしい女性向けのファッション雑誌を恋は、 「ポーチ付いてるんだー。こっち、ミニの鏡、可愛い!両方、買っちゃお!」 二冊の雑誌を籠に入れ、 「へー、期間限定だって。私、期間限定に弱いんだよねー」 恋はチョコレートの箱を片手に笑う。 可愛いな。女の子って感じする。 私はあまり、そういった事に関心がなく、そもそも疎い。 「すみれはー?なんか食べたいのないの?お腹空いたでしょ?」 「うん、お腹空いたかも...」 二人でお弁当選び。 恋は迷いながらもロコモコ丼、私はオムライスにした。 「オムライスって感じしたー。すみれ、似合うよね、オムライス」 「えっ?」 恋の明るい笑顔に丸い目の私。 ....オムライスが似合う?ってなんだろ。 よくわからないや。 恋の部屋は私の殺風景な寮の狭い部屋とは違う、1kながら、女の子らしい可愛い部屋だった。 ところどころにぬいぐるみがある。 UFOキャッチャーで取れただけ、と恋は笑った。 そして、初めての親友との夜が始まり、お互いにコーラとレモンティーで乾杯した。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加