カプリコーンは食べられる

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「山羊さえ良ければ、俺、山羊なら余裕で抱けるけど」 「――は?」 「俺とさ、ドラゴンと車みたいな関係にならないか?」 「お前、どこまで本気で言ってるんだ?」 「? 俺は終始本気だぞ。山羊の事、ずっと可愛いって思ってたし」 「眼科の予約を取って来い。今日は直帰なんだろう?」 「うん。で、明日は土曜で、山羊も俺もお休みだしな。一発どうだ?」 「どうって」 「誘ってる」 「雰囲気も何も無いな。しかも軽い」 「甘い雰囲気出して、重々しく言えばOKって認識するけど」 「そ、そうは言ってない!」 「なぁ、山羊。俺じゃダメか?」 「え」 「俺はお前を抱きたい」  そう述べた時の射手の瞳は、仕事に集中している時に稀に見せる格好良さを持っていて、俺の好きな色を浮かべていた。再び俺の頬が熱くなる。からかうなというべきだと理性的に判断したのに、過去に数秒は惹かれた事のある顔だったから、言葉に詰まってしまう。 「先に、シャワー借りるわ」  射手はそう言うと立ち上がり、何度か貸した事のある浴室へと消えた。  残された俺は、モニターをちらっと見た。 『ぁ、ア! もっと……』
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