カプリコーンは食べられる

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 そんな二人の間にあって、俺は毎日パソコンのキーボードを叩く毎日だ。決して大きな会社ではない。部署が違ってもオフィスは同じだ。俺の仕事は、水瓶が開発した理論や商品をプログラミングして製品とする事で、それを売りに行くのが射手だ。所謂IT企業である。 「よぉーし、今日の仕事、終わり!」  射手が椅子の背をギシギシ言わせながら声を上げた。視線を向ければ両手を上げていて、表情は笑顔だ。長身で手足が長い。口を開かなければ、イケメンの一言につきる。いいや、話してもそれはそれで面白いのだが。気取らない所も長所だと思う。 「おー、終わった? じゃ、行く?」  すると別のブースから、双子が顔を出した。双子は途中採用で入ってきた営業だが、年齢でいえば、俺達三人と同じだ。射手と親しい。この二人は、いつも出かけていくメージがある。 「行く行く! あ、牡羊の事誘っておいた」 「天秤先輩は今日は長引くらしくて難しいって。獅子部長は来るって」 「おごりだな、飲むぞー!」
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