カプリコーンは食べられる

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 時の流れが早い。幸い、俺のマンションは会社から近く、徒歩で通勤可能なので、終電を気にする必要はない。在宅作業も認められているし、遅くまで残った翌日は休む事も許されている。憎いのは納期だ。今俺が行っている作業が、会社のパソコンの方がやりやすいという理由さえなければ、今頃俺だって帰っていたと思う。 「……」  今頃、射手達は飲んでいるのだろうか。別段酒が好きだというわけではないが、ちょっと羨ましくもある。俺の部署は、俺以外は在宅で作業している事が多い。だから帰りがけに一杯というような部署飲みはあまりない。飲みュニケーションは億劫だという話も聞くが、一切ないのも少し寂しい。ちなみに俺の部署のメンバーは、蟹先輩や蠍先輩だ。  なお企画・開発は、水瓶の他には牡牛先輩と後輩の魚がいる。他には経理の乙女先輩は、一人で全てを担っていたりする。  気づけばオフィスには、俺一人きりになっていて、時刻は夜の十一時半を回っていた。 「あれ、まだ残っていたのかい?」
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