科学者の理想

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科学者の理想

僕はM先生の背中をさすり、優しく続けた。 「謝る事はありません。僕は、先生たちの判断に賛同します。僕の受信機は、先生たちが黒幕に支配される以前の、優秀で純粋な科学者としての理想に燃えていた当時の脳波を常に受信しています。この受信機は他のどんな電波も受信できないように制御されていますね。仮に黒幕サポーターが僕に他の受信機を埋め込もうと企み、にメスを入れた時には、日本が存亡の危機に瀕するような爆発が起こるのでしょうか。先生たち平和派の学者たちは僕の存在に平和を託して、国の横暴な独善主義に断固として抵抗しようと考えたのですね。レンタル脳技術は、純粋に医療技術にとどめるべきであると。特定の国や個人の利益を追求するために、人の魂とも言える脳波を、決して(もてあそ)んではならないと!」  了
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